★タロット占い依頼のガイドライン(v1.2)
◆introduction
はじめまして。2018年10月ごろからタロット占いを始めたカトと申します。
現在はタロット占いの他、西洋占星術、カバラ数秘術も勉強中です。あとは手相や風水、ギリシャ哲学、陰陽思想系列など、他の占いや占いに取り込まれていった諸思想などにも興味があります。
当エントリでは、私宛ての占い依頼のガイドラインを掲載します。ご興味のある方はしばらくお付き合いください。
<2018/12/23 初版公開>
<2019/01/23 依頼先修正>
<2019/02/17 有料占いを開始>
<2020/04/18 無料/有料占いの記載を取り消し線に。占いの館出演情報を記載>
続きを読む気になるカード1枚目:THE BLACK DOLL
ちょっと指向を変えて、自分の気になるカードについて話すカテゴリを作りました。
1枚目は絵本作家、エドワード・ゴーリーが作成したデッキである「不安な箱」(The Fantod Pack)からです。上手く使えないかなーとうんうん考えているデッキでもあります。
絵柄は、作者のゴーリーを知っている人ならおなじみかも知れませんが、結構ダークな印象が強いです。「不安な箱」の名前通り、全20枚のカードにはそれぞれ、箇条書きで不安や危険を暗示する言葉が当てられています。
たとえば上図の「THE LADDER(はしご)」であれば、付属の解説書には、次のように書かれています。
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THE LADDER(はしご)
Tuesday(火曜日)
slander(誹謗中傷/悪口)
reversals(転倒/反転/逆戻り/挫折)
creeping sickness(潜行性の病)
a forged will(贋作)
insomunia(不眠症)
…(略)…
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※和訳は自分でやったので、間違ってる可能性が高いです
こんな感じでカードには絵柄・タイトル、タイトルには箇条書きで不安をあおる単語……という作りになっています。
うひゃーと思いながら次へ次へ見ていくと、異質なカードが目に入りました。とてもシンプルで、タイトルもありません。解説書を見た自分はゾッとしました。
THE BLACK DOLL(黒い人形)
In the words of the old rhyme: What most you fear Is coming near
(古い言葉を借りれば:あなたが最も恐れているものが近づいてきている)
第44回:タロットリーディング「ワンドの9」
ワンドの9は「壁」のような印象が強いカードです。
両方のカードを見てみましょう。全体的には左のシャーマン版は黄色、右のライダー版は青色が基調になっています。色味の話をすれば、悪い印象は受けないかなと思います。
絵柄としては、8本の棒が地面に立てられています。その前に男性がいますが、どちらも1本の棒を持っています。シャーマン版では地面を掘って/あるいは棒を立てかけようとしているように見えます。服は赤色で、アグレッシブさを感じます。一方のライダー版では動きがあまりなく、その顔はどこか不安そうな、おどおどしているような表情にも思えます。
また、両版ともにこの男性の頭には包帯が巻かれています。ということは「何かと戦い/あるいは事故で怪我をした後」(?)と推測できます。
意味としては、良くも悪くも「(傷ついた/挫折的な経験があり)防衛的/保身的になっている、頑固/独りよがりになっている、我が道をゆく、集中/熱中している、自分自身の中に抑え込んだエネルギーがある」と見えるでしょうか。
やはり気になるのは頭の包帯です。何かしら傷つき、情熱が尽きそうにでもなった経験があるのでしょうか。それゆえか、どこか周りからは距離を置き、一人になってみる選択をしたように感じます。それは、8本の棒が背景と男性を分け隔てているところからも感じ取れます。
そのため、おそらく周りからの意見や忠告、心配などは受け取れるような状況ではないでしょう。そんな余裕もなく、とにかくやるしかないんだと目の前のものに立ち向かい、あるいは自分はどうすればいいんだろうと、自分の力でやれることを選んでいるのでしょうか。
男性は怪我をし、自分を周囲から遠ざけています。
上では「良くも悪くも」と書きました。男性はこのような状態ですが、空は明るく、絵柄の中でも広く取られています。この行いそのもの……もっと言えば、この情熱自体が「良し悪し」に囚われていないようにも感じます。
シャーマン版では、男性は何かしらの作業に夢中です。ライダー版では、男性は不安そうにどこか明後日を見ています。
この次はワンドの10、数字の最後です。あなたの情熱が行き着く最後の局面の前に、あなたはどんな面持ちで、どんな準備をするでしょうか?
第43回:タロットリーディング「カップの4」
カップの4は動きがないカード…というよりも、ここから「動けない/動きたくない」という気持ちが伝わってくるカードです。
イラストとしては、ほぼ左右対称です。雲の中から手が男性に向かって伸びています。差し出しているのは1つの杯。対する男性は、腕を組んで、あるいは膝を抱えて、木のたもとで座り込んでしまっています。男性の目線の先には3つの杯。
シャーマン版では、背景として建物(街?)が遠くに描かれています。イラストの男性が、人を避けてここにきていることがイメージできます。
一方ライダー版では広く晴れ渡った空が印象的です。ただ、構図として1本の木が男性と現れた手を区切っており、男性側の空は狭くなっているので、どこか「隔絶した、狭い世界/空間」を彷彿とさせます(構図の話は詳しくはないので、私の感覚論ですが)。
男性の姿勢や顔つき、雰囲気から何を感じるでしょうか?
あまりプラスなイメージは湧きづらいのかな、と思いますが、ざっと書き出すと「拒絶、放心、落胆、執着、集中、無視、孤独、悲しみ、いじけ」…といった言葉が浮かんできます。
あるいは、雲から伸びる手に着目すれば「新しい展開が訪れている、別の解決策がある、ほかの人が心配している」といった見方もできるでしょうか。……「ただし、前述のような状態なので、素直に受け入れることは難しそうである」という但し書きがつくのかもしれませんが。
カップの3は楽しいカードでした。そこから進んだカップの4は、3つのカップ(=楽しい状況、あるいはほかの共同体やグループ?)を目の前にして、とても浮かない顔。その3つのカップを気にしているんでしょうか。
なんだか、親しい人同士の他のグループの輪に入れない自分を思い起こさせる情景で、とても胸に刺さります……。
どんなことがあって彼がこんな表情を、こういった態度を取っているかはここでは明確になっていません。
これもまた、引いた人の感覚が直結するカードなのかなと思います。
第42回:タロットリーディング「ペンタクルのA」
ペンタクルのA(エース)は、ペンタクル(金貨)の1番目のカードです。
カードを見てみると、何もない空間から手が現れ、一枚の金貨(ペンタクル)を差し出している光景です。背景には美しい生垣とアーチ。行き先は見知らぬ地。
イラストは両版とも似通っています。庭の部分が、シャーマン版のほうがどちらかといえば華やかでしょうか。また「続いていく道(あるいは、未来の見通し?)」についても、シャーマン版のほうが強調されているように見えます。
また、虚空から手渡された金貨は、これから先に進むための渡し賃、あるいは軍資金のようにも思えます。
意味としてはペンタクルの最初のカードですから「新たな始まり(仕事、人間関係、趣味など?)、これからの進路の決定、新しいアイデアや方針、何かを手にする/手に入れる」とかでしょうか。
あるいは逆に見ると「何かを始める時ではない、このまま進んでも得る物は少ない、上手く一歩が進まない」。
いい意味としては、上記のようにプラスなイメージが湧きますが、カードの背景を見ると空は灰色に見えます。ずっしり重いく黒い雨雲・・・ではありませんが、全体的に薄曇り。
ペンタクルは現実的なカード。0から1になるこのカードも大切ですが、1をなにかにし、最終的に10(ゴール)まで持っていく必要も忘れてはいけません。空が薄曇りなのは、まだまだ現実的な計画を持ってこの先が見通せていない、あるいはこの先に待つ面倒ごとなどを表しているかもしれません。
とにもかくにも、あなたは何かを形にするための第一歩に差し掛かっていると見えます。走り出しにいい装備を得るとしても侮るなかれ。この先が青空となるか曇天となるか、まだまだ分かりません
第41回:タロットリーディング「悪魔」
悪魔のカードは、見たまま不穏な雰囲気が漂うカードです。
どちらの版も、台座には悪魔が座っており、片手にはたいまつを持っています。また逆の手はこちらに向けて掲げられており、まるで「悪魔」の世界へやってきた私を「歓迎」しているようにも思えます。
悪魔の足元には、台座に首輪で繋がれた人間の男女。人間とは言え、悪魔と同じような尻尾が生え、頭には角も生えてきています。……つまり「悪魔」の世界に長くとどまりすぎて、そちらの仲間になってしまっているのでしょうか。
背景はこれでもかというほどに真っ黒。先が見通せるかどうかすらも分かりません。
では「悪魔」の世界ってどういうものでしょう。
カードでは「真っ暗で先も見通せない、鎖によってそこに繋がれてしまう、長くいると悪魔の仲間になってしまう(人の姿から離れて行ってしまう)」…ようなイメージで表現されています。
悪魔の世界といえば、思いつくのは「地獄」でしょうか。読んだことはないですが(読まないと駄目だなと思っていますが)ダンテの「神曲」なんかが知識の助けになりそうです。
悪魔がいるのは地獄、そして役割は罪人を罰するため。地獄にいる人間は罪を犯し、罰せられるが故にそこにいる。
でもタロットでは少し違うように思います。そこに描かれる人間は「罪人」でなく「悪魔の仲間に変貌していく(精神性が変異している)最中」ですし、イラストからは「堕落、停滞、諦め」が感じられます。
上記のような意味のほか、(周囲の環境や人間関係が)不快であること、あるいは(目先のことに触れずに)快楽に浸っていること。(前述に関連して)何かにつけて現実から逃げていること、(ずるずると現状を引きずって)自分の欲望に向き合わないこと……となるでしょうか。
アドバイスとしては「自分の欲望に向き合う/まだ怠けてていいんじゃない?」という感じかもしれません。
クロウリーは悪魔のカードについてこう述べています。
「右目にて、自分自身のために全てを創造せよ。左目にて、他のやり方で創造される全ての物を受け入れよ」
自分のなすこと、そして相手のなすことをちゃんと意識して受け止めなさい、という意味にとれます。逃げたり、目を逸らしたり、気づかないふりをしたり。そんな方法は一時の回避はできても、完全になくすことはできません。
汚い欲望も、怠けたいという意思も、残酷な結果も、見たくない状況も、消したい記憶も、すべて「実在する」ものです。何とかするためには、まず正対しまっすぐ対象を見据えなければ始まりません。
第40回:タロットリーディング「カップの3」
カップの3は見た目にも楽しいカードです。
シャーマン版では同じ衣装、アクセサリの女性3人がカップを掲げて楽しそうに歓談している様子に見えます。3人とも裸足なのでとてもリラックスしていそうです。舞台はきれいな噴水付きの庭(?)ですし、何の不安も感じさせない、とても明るいイメージです。
ライダー版は白・赤・黄色のマントの人物が、同じくカップを掲げています。空は青空広く晴れ渡り、足元は沢山の緑と実り。「今」よりも「これから」の発展と楽しさを感じさせるイラストです。
どちらとも、意味は「楽しい状況、不安がない気楽さ、(特定の誰かと言うよりは)第三者との交流、パーティ」といった内容でしょうか。カップなので、感情的にとても気楽でオープンな状態だと思います。
これを悪い方に読むと「不安を捨て置けない、人の輪が上手く形成できない、気楽でいられない状況」でしょうか。感情としても、重く閉じたものになっているように感じます。
「カップの3」は「カップの2」の次のカードです。この2枚は流れが分かりやすいですね。カップの2では、似た者同士(シャーマン版)、あるいは違う者同士(ライダー版)の2人の心の交流。「私」だけでなく、この世界に「あなた」が現れたシーンです。
kato-tarot.hatenablog.com
カップの3ではさらに人間関係が進み、イラストには3人の「私たち」が描かれます。私個人ではなく、ここに「身内」の概念が登場していると考えてもいいかも知れません。
似た者同士、あるいは違う者同士の「私たち」。心の交流は進み、意気投合して、同じ点を高め合い/価値観を越えて楽しめる仲にまで育っています。
……ただ、アレイスター・クロウリーは「トートの書」の「杯の3」の項(p.200)において、ギリシア神話のペルセポネーを題材に、こうも記述しています。
「……(略)……人生において具合の良いことは、たとえ楽しかろうと、疑ってかかるべきであろう…」
さてはて、グループにまでなった「私」とその周囲の人間関係は、このあとどうなっていくのでしょうか。
第39回:タロットリーディング「ソードの4」
ソードの4はちょっと間違い探しみたいになっています。それぞれ順を追って見ていこうと思います。
先に右のライダー版から見てみましょう。こちらは、金の台座に同じ色の人(像?)が寝そべっています。表情からしても、かなりリラックスしていそう。台座には剣が1本彫られて(?)います。
人物の胸~頭にかけて、それを狙うように3本の剣。奥行があって壁にかけてあるんでしょうが、落ちてきたら大惨事です。また、左上のステンドグラスは、剣と人、金と銀2色だけの世界に様々な色をもたらしています。描かれているのは金貨の6?それとも教皇?
次に右のシャーマン版を見ていきます。こちらは全体的に灰色。石室…安置所のようなところです。台座には剣が2本。胸に手を置き、安らかに眠っている人に対して、不思議に浮いた2本の剣がロックオンしています。
また、こちらにもライダー版と同じくステンドグラスがありますが、ぱっと見、ひとつ前の「ソードの3」です(シャーマン版のソードの3はステンドグラスですし)。
意味としては「(身体的、精神的な)休息」でしょう。安らかに眠っているように見える人物からも「今は休む時である」ことは伝わります。全力で休むというか、それ以外はしない!という不動感もあります。
逆に悪くとれば「どうしても休めない状況」であったり、動かない=動けないでもあったり。自分で自分の状況をうまくコントロールできない部分がフィーチャーされます。
4は安定した数なので、良く言えば「止まることが<できる>状態にある」悪く言えば「止まってしまう(あるいは、止まれない)」でしょうか。
それと、シャーマン版は剣が2本と2本+ハート、ライダー版は剣が1本と3本なので、どちらの版も「ソードの4」以前のカードを特に意識しているように感じられます。
シャーマン版は「ソードの2」が2つ。対立するもの事とバランスを取って、あるいは距離を取って。ライダー版は「ソードのA」の決断や「ソードの3」の悲しみの呪縛をわきに置いて。そこからの休息。
ただ、完全に無視はできなさそうです。シャーマン版の対立の2本の剣も、ライダー版の悲しみの3本の剣も、まるで人物を狙うように、その切っ先を向けています。
苦痛や悲しみはなくなったわけではなく、ただそれをわきに置いた休息……つまり、本当の戦いはこれからやってくるカードでもあります。