第44回:タロットリーディング「ワンドの9」
ワンドの9は「壁」のような印象が強いカードです。
両方のカードを見てみましょう。全体的には左のシャーマン版は黄色、右のライダー版は青色が基調になっています。色味の話をすれば、悪い印象は受けないかなと思います。
絵柄としては、8本の棒が地面に立てられています。その前に男性がいますが、どちらも1本の棒を持っています。シャーマン版では地面を掘って/あるいは棒を立てかけようとしているように見えます。服は赤色で、アグレッシブさを感じます。一方のライダー版では動きがあまりなく、その顔はどこか不安そうな、おどおどしているような表情にも思えます。
また、両版ともにこの男性の頭には包帯が巻かれています。ということは「何かと戦い/あるいは事故で怪我をした後」(?)と推測できます。
意味としては、良くも悪くも「(傷ついた/挫折的な経験があり)防衛的/保身的になっている、頑固/独りよがりになっている、我が道をゆく、集中/熱中している、自分自身の中に抑え込んだエネルギーがある」と見えるでしょうか。
やはり気になるのは頭の包帯です。何かしら傷つき、情熱が尽きそうにでもなった経験があるのでしょうか。それゆえか、どこか周りからは距離を置き、一人になってみる選択をしたように感じます。それは、8本の棒が背景と男性を分け隔てているところからも感じ取れます。
そのため、おそらく周りからの意見や忠告、心配などは受け取れるような状況ではないでしょう。そんな余裕もなく、とにかくやるしかないんだと目の前のものに立ち向かい、あるいは自分はどうすればいいんだろうと、自分の力でやれることを選んでいるのでしょうか。
男性は怪我をし、自分を周囲から遠ざけています。
上では「良くも悪くも」と書きました。男性はこのような状態ですが、空は明るく、絵柄の中でも広く取られています。この行いそのもの……もっと言えば、この情熱自体が「良し悪し」に囚われていないようにも感じます。
シャーマン版では、男性は何かしらの作業に夢中です。ライダー版では、男性は不安そうにどこか明後日を見ています。
この次はワンドの10、数字の最後です。あなたの情熱が行き着く最後の局面の前に、あなたはどんな面持ちで、どんな準備をするでしょうか?