第39回:タロットリーディング「ソードの4」
ソードの4はちょっと間違い探しみたいになっています。それぞれ順を追って見ていこうと思います。
先に右のライダー版から見てみましょう。こちらは、金の台座に同じ色の人(像?)が寝そべっています。表情からしても、かなりリラックスしていそう。台座には剣が1本彫られて(?)います。
人物の胸~頭にかけて、それを狙うように3本の剣。奥行があって壁にかけてあるんでしょうが、落ちてきたら大惨事です。また、左上のステンドグラスは、剣と人、金と銀2色だけの世界に様々な色をもたらしています。描かれているのは金貨の6?それとも教皇?
次に右のシャーマン版を見ていきます。こちらは全体的に灰色。石室…安置所のようなところです。台座には剣が2本。胸に手を置き、安らかに眠っている人に対して、不思議に浮いた2本の剣がロックオンしています。
また、こちらにもライダー版と同じくステンドグラスがありますが、ぱっと見、ひとつ前の「ソードの3」です(シャーマン版のソードの3はステンドグラスですし)。
意味としては「(身体的、精神的な)休息」でしょう。安らかに眠っているように見える人物からも「今は休む時である」ことは伝わります。全力で休むというか、それ以外はしない!という不動感もあります。
逆に悪くとれば「どうしても休めない状況」であったり、動かない=動けないでもあったり。自分で自分の状況をうまくコントロールできない部分がフィーチャーされます。
4は安定した数なので、良く言えば「止まることが<できる>状態にある」悪く言えば「止まってしまう(あるいは、止まれない)」でしょうか。
それと、シャーマン版は剣が2本と2本+ハート、ライダー版は剣が1本と3本なので、どちらの版も「ソードの4」以前のカードを特に意識しているように感じられます。
シャーマン版は「ソードの2」が2つ。対立するもの事とバランスを取って、あるいは距離を取って。ライダー版は「ソードのA」の決断や「ソードの3」の悲しみの呪縛をわきに置いて。そこからの休息。
ただ、完全に無視はできなさそうです。シャーマン版の対立の2本の剣も、ライダー版の悲しみの3本の剣も、まるで人物を狙うように、その切っ先を向けています。
苦痛や悲しみはなくなったわけではなく、ただそれをわきに置いた休息……つまり、本当の戦いはこれからやってくるカードでもあります。