第11回:タロットリーディング「ワンドの10」
第10回はワンドの10です。スートにおける10という数は、これまでの1~9の力が結集した状態…と言われることがありますが、今の自分はまだしっくりきていません。
ペンタクルやカップの10は幸せが表出しているカードなので、まぁそれも分かりますが、ソードは男が剣に刺されて倒れていますし、ワンドは以下の通りです。
それぞれのスートが示す、何らかの過程のゴール前の出来事、あるいは到達地点、という解釈でいいんでしょうか…?このあたりはまだ模索中です。
さて、両版を見ていきましょう。と言っても、今回のワンドの10はどちらも変わりませんね。男が棒を10本束ねて、遠くの街を目指して歩いているカードです。
意味は「徒労、苦労、重荷」になるんでしょうか。
あるいは広げてみて「非効率的、こつこつとやる、信念がある」「形にするにはまだ遠い/もう少し、全部投げ出したい、自分のタスクに集中している」「助けてくれる人がいない、自分が頑張らないといけない時」なんて言葉が浮かんできました。
男は、自分の背丈ほどの棒をまとめて抱えて歩いています。このカードを見たとき、もっといい運び方があるんじゃないかなぁ、とか、他の人にも手伝ってもらえばいいのに、と思う方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
彼はそういった他の方法に気づいていない、もしくは気づく余裕がないのかもしれませんし、どうしてもこの方法でないといけなかったのかもしれません。また、彼自身が一人で運ぶ方法を「あえて」選んだ可能性もあります。
ワンドは創造性の象徴。それだけだと形になりません。彼は彼自身の創造的なエネルギーを形にするために、一人孤独に、重荷を背負って歩いているんだと思います。
(なんだか徳川家康の「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし」という言葉とリンクするような気がしますね)
クリエイターの方は「産みの苦しみ」なんて言葉が浮かぶかもしれませんね。もちろん、クリエイターでなくても、一人で勉強/仕事するときなんかは、こういった情景が浮かんでいることでしょう。
もちろん、この苦しみが自分の成長に必要だ!という方もいるかもしれませんが、どうしても自分のタスクに押しつぶされそうなとき、このカードを思い出してみるのはいかがでしょうか。つらい状況にいて客観的に自分を見ることは難しいですが、俯瞰して見たとき、実際は他にやり方あるのになぁ、と思える状況かもしれませんよ。