第28回:タロットリーディング「教皇(法王)」
第28回は教皇、法王です。
自分は特定の宗教に属していませんし、教会に行ったこともありません。かろうじて「ローマ法王」の存在を知っているくらいです。
宗教における偉い人、というくらいのイメージで大丈夫なんでしょうか?
さて、両版を見比べてみましょう。
シャーマン版は一人の髭を蓄えた老人が本を読んでいるシーンです。左手は天を指し、右手は本を抑えています。なんだか「アテナイの学堂」みたいですね。
佇んでいる場所は荒野、周りに人はいません。一人でこんなところで本を読んで、挙句に片手を挙げて何やってるんでしょうか…。
ライダー版は精悍な顔つきの男性が高座に座っているカードです。手前には修道士と思われる男性が2名います。錫杖を片手に、手を挙げて、なにやら命を下しているシーンのように思えます。
カードとしては「精神的に高位にある男性」を示していると思います。
このカードはわりかし苦手(あまり引く機会がないのです……)な部類なので、本を引いて見ましょう。以下は「鏡リュウジの実践タロット・リーディング」からの引用です。
・伝統的に『皇帝』はこの世の世俗の権力を支配する人物だ。対して『教皇』は、精神世界を支配する存在であり……
・…『教皇』は公共性を持った精神的価値を示す……
そう考えると、シャーマン版は精神面を特に強調しているのでしょうか。本を読んで自己研鑽、瞑想に励んでいるようなイラストです。「高尚さ、徳、人格者」といったキーワードが浮かびます。どことなく優しそうなおじさんだなあ、というようなイメージもありますか。
一方、ライダー版のほうはどちらかと言うと「厳格さ、冷静さ、教え」などでしょうか。比べてこちらの方が威厳がある分冷たい感じがします。
人に教えを授けるほど、自分・他人の精神世界を熟知した人。あるいはそこにたどり着くまでの研鑽、という意味もありそうです。
逆側ですと、威厳がある分の冷たい印象、熟知した分を高い理性を持たねば悪用できてしまうという可能性、でしょうか。
実践でなかなか出ない分、広がりが自分にまだ足りないカードです。正直、もっと出てきて欲しい(いや、それはデッキ側の都合になるんでしょうね……)。
大アルカナは全体的に、もっと経験を積みたいなあと思っています。