第30回:タロットリーディング「カップの5」
第30回です。
5月病はよく聞きますが、実際は6~7月病なんじゃないかなあと思っています。この時期になると、新生活のわたわたも落ち着いてきて、夏休みも見えてきて…と一息つけるタイミングですよね。でも祝日は少ないですし、季節の合間ですからこの時期は落ち込みがちになる人も多いんじゃないかなあと思っています。 (というか、自分がそうです)
さて今回はカップの5、しょんぼりとした男性のカードです。
図柄はどちらも同じです。黒いマントの男性が、倒れた杯を見て項垂れています。ですが、彼の後ろにはまだ2つの杯が残っています。しかし彼はそれに気づいているようには見えません。
前には川がありますが、少し離れたところには橋があります。橋の向こうは街でしょうか?郊外で一人ぽつんと、寂しそうに俯いて佇む男性。なかなかに哀愁漂うカードですね。
意味は「失望、後悔、喪失、焦燥」です。
男性の着ている黒いマントは、どことなく喪服のようにも感じます。彼の足元では、愛情を表す水が入った杯がこぼれてしまっていますね。目の前には川もあるのですが、水を汲みに行きそうな雰囲気ではなさそうです。
この水は自分でこぼしてしまったのでしょうか。あるいは、誰かにこぼされてしまったのでしょうか。この絵柄からは知る由もありませんから、どちらの可能性も考えられます。
ともかく、彼のものである杯から水はこぼれてしまいました。覆水盆に返らずと申します通り、この水はもう杯に戻ることはありません。
過ぎてしまった時間、故人……世の中にはもう二度と戻らないものは確かに存在します。でも、絵柄の中の彼には、まだ2つ残った杯があります。
目の前だけを見れば「こぼれてしまった杯」しかありませんが、ちゃんと後ろを振り向けば「まだ残った杯」があります。
具体的に言ってしまえば「周りの人を見て自信を失くしてしまったけれど、頑張った分、自分にスキルはしっかりついている。でも他人の芝は青い……」といったところでしょうか。(すっごく自分に響く…)
これが出たときは、まずは完全に全てを失ったわけじゃないということを認識しましょう。そして、自分の財産をしっかりと確認する必要がありそうです。
ちなみに「アフター・タロット」でのカップの5は、黒服の男性は河を流れていく男性を見ずに、自分を掻き抱いています。目の前のことに気を払えないくらいに、自分の内面に目が向いているんでしょうか。
- 作者: Pietro Alligo,Giulia F. Massaglia
- 出版社/メーカー: Lo Scarabeo
- 発売日: 2016/10/25
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
ちなみに「ビフォー・タロット」というデッキもあります。
通常のライダー版と合わせて、3デッキで占ってみたいですね。