カトの占いあれこれ

占い練習中なのであれこれとメモっていきます

第36回:タロットリーディング「カップのクイーン」

f:id:kato_tarot:20200602165940j:plain

カップのクイーン

  カップのクイーンのカードは、玉座に座った女性のカードです。青いドレスに身を包み、手には杯を大切そうに持っています。そして玉座は水の只中にあります。シャーマン版では、クイーンのドレスが足元の水面と同化しているようにも見えます。

 背景の水面はとても穏やかです。それはどこか、クイーンが手にしているカップと、このカードの世界の水が連動しているような、クイーンが水を穏やかになるように「平定」しているような印象を受けるのは自分だけでしょうか。

 

 クイーンは水、カップも水ということで、このカードは水の水です。ということで、クイーンとしてはこの場はとても居心地がいいのように感じます。

 両版ともに、クイーンはどっしりと玉座に腰かけており、これから動き出すようには見受けられません。手にした杯をこれからどうするか、どうなるかは全くわかりませんが……。

 

 このカードとしては「とても思いやりの深い/慈悲深い人物」と言えるのではないでしょうか。

 水=感情は、ふとした衝撃で波紋が起り、その波紋は広がり、また別の波紋と干渉しあいます。杯(カップ)が表す感情の世界とは、自分の感情の水面だけでなく、他者のそれも含めた世界だと思っています。なので、感情の世界を司る杯を持ち、堂々と座っている(シャーマン版)/真剣に見つめている(ライダー版)クイーンの役割は、自分および他者にまたがるこの「感情の海」を観測すること、そして平定すること、にあると読みます。

 

 このクイーンが機能しない、あるいは悪い方向に作用してしまうのならば「他者からの感情の波をモロに受ける→こちらも不安定になる、周りの感情論に流されてしまう、自分の感情を抑えきれない」というようになってしまうのでしょう。

 

 クイーンは杯を見つめて、あるいは抱えて何を考えているのでしょう。心の平穏を望んでいる?それとも注意深く観察している?

 クイーンは手にした杯で、何ができるのでしょう。周囲の水を操る力を持っている?それとも眺めていることしかできない?

 静かで静止的・受動的な印象のあるイラストですが、その奥には感情の渦や怒涛の嵐の可能性も孕んでいるカードだと思います。